ニカラグア特集






ニカラグアは中米の中心に位置し良質なコーヒーが生産される国として有名ですが、そのほとんどがヨーロッパに輸出されています。まだ、日本ではあまり有名ではありませんが、日本人が好む酸質が穏やかで甘い味を特徴としています。





メモ ニカラグアは中米の真ん中に位置し、北はホンジュラス、南はコスタリカに挟まれています。人口は600万人、国土は13万㎢で中米の中では一番国土面積が広く、農業や牧畜が盛んな国です。地理的には東西の海岸地帯(西はサバナ気候、東は熱帯雨林気候)と中央北部山岳地帯に分かれており、コーヒーの産地は北部山岳地帯を中心に広がっています。
 ニカラグアは19世紀の半ばにコーヒーがもたらされると、コーヒーは産業の中心となり、国の経済を支えてきました。今でも輸出総額は5.1億万ドルと輸出総額の大きな割合を占めています。コーヒー農業を営む小規模農家は4.5万世帯いるといわれ、30万人を超える直接・間接的な雇用を創出し、農業従事者の54%を担っています。また、96%程度のコーヒー農園は原生するシェードツリーに覆われており、ニカラグアの中で生態系や土壌・水源を保安する役割を担っています。

【主なコーヒー栽培エリア】

ニカラグアのコーヒーは、主に2つの栽培エリアに分かれています。

*北部北東エリア
国内生産量の13%を生産するエリアで、ヌエバ・セゴビアが有名です。ニカラグアの中でも最も標高が高いゾーンに位置し、高品質な独特のフレーバーを感じられるコーヒーが生産されます。

*北部中央エリア
国内生産量の84%が集中するエリアで、特にヒノテガ、マタガルパという産地が有名です。エリア特有の環境により、バランスの取れた味わいのコーヒーが生産されます。




メモ メモ メモ メモ メモ


パソコン

[ Jinotega FW Lot,1 ]


  精製 : フリーウォッシュド
  品種 : カツーラ・カツアイ他
  標高 : 1,300~1,600m
  収穫 : 19/20


 このロットはヒノテガ 県のコーヒー生産地域の複数のパートナー生産者と協力して作り上げたロットです。ヒノテガ県はニカラグア北部に位置するコーヒーの生産の中心地で、豊かな火山性の土壌と、広大な貯水池であるアパナス湖を擁する標高が高く自然豊かなエリアです。このロットは複数農園で取れたチェリーを集めて構成されており、農家単位までコーヒーの生産履歴を追うこと可能なトレーサビリティのあるロットとなっています。すべての生産者と緊密なコミュニケーションを行い、栽培環境から収穫・精製に至るまでの工程管理、チェリーやパーチメントの輸送や財務管理の面で、マイクロロットのコーヒーと同等の管理がなされています。




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[ Microeconomics FW ]


  精製 : フリーウォッシュド
  品種 : カツーラ・カツアイ他
  標高 : 1,200~1,600m
  収穫 : 19/20


 Microeconomicsはヒノテガとマタガルパのパートナー生産者と協力して作り上げたコーヒーです。複数地域から品質管理を徹底した生産者のコーヒーを集めてロットを構成することで、コストパフォーマンスの良さと高いカップクオリティを実現しました。Microeconomicsの名前が示す通り、コーヒー生産者とロースターの両社にとってポジティブな影響を与えることを目的としています。このロットは農家単位までコーヒーの生産履歴を追うこと可能なトレーサビリティのあるロットとなっています。すべての生産者と緊密なコミュニケーションを行い、栽培環境から収穫・精製に至るまでの工程管理、チェリーやパーチメントの輸送や財務管理の面で、マイクロロットのコーヒーと同等の管理がなされています。




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[ La Fuente FW ]


  精製 : フリーウォッシュド
  品種 : カツーラ・ブルボン他
  標高 : 1,400m
  収穫 : 19/20


 ラ・フエンテ農園はヒノテガ県に位置し、サビノ氏と彼の妻マリア氏が生産に取り組んでいます。サビノ氏の家族はクリスチャンで 5 人の息子がおり、父のホセ氏からコーヒー農園を受け継ぎました。サビノ氏は父親の農園と農法を受け継ぎ、「父の遺産である農園を更に発展させたい」と語ります。洋梨やリンゴを思わせる瑞々しいラ・フエンテ農園のコーヒーは正に彼らの努力に結晶といえます。妻のマリア氏はキッチンで栄養たっぷりのスープをサビノ氏と子供達のために作り、サビノ氏は自宅の周りの土地でコーヒーと野菜を生産し、2 頭の雄牛に鍬を引かせて農園を耕す、そんな二人の精力的な日々の営みによりこのコーヒーが作り上げられました。サビノ氏がコーヒー生産で最も注力しているのは「高いスコアのマイクロロットを一貫して生産すること」です。そのために、ドライングテーブルを多く所持し、より多くのコーヒーの木を植え、新しい技術や効率的な栽培方法の取得にも意欲的です。「ラ・フエンテ農園はこのエリアの中でも最も標高が高く、気象条件にも恵まれているので収穫量が増えればより多くのスタッフを雇うことが可能となり、農園を拡大していける」とサビノ氏は語ってくれました。




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[ Los Milagros FW ]


  精製 : フリーウォッシュド
  品種 : レッド&イエローカツーラ、ブルボン
  標高 : 1,500m
  収穫 : 19/20


  ロス・ミラグロス農園はヒノテガ県に位置し、農園主であるイシドロ氏が生産に取り組んでいます。「非常に高い標高で素晴らしいカツーラ種の生産者がいる」という情報を耳にしてイシドロ氏を探し始め、数年かけてようやく巡り合うことができました。イシドロ氏はコーヒー以外にニンジン、キャベツ、等様々な野菜も生産も行っています。農園は1,500mと非常に高い標高に加えて、肥沃な土壌、冷涼な微小気候、精製に使用する湧き水といったコーヒーを栽培するのに適した様々な要素に恵まれています。設備の面では水洗用のカナルと、ドライングテーブルを所持しており、特に乾燥時の欠点豆のハンドソーティングには力を入れています。さらに、農園のピッカー教育にも力を入れており、完熟したチェリーのみを収穫する訓練を行うことで更なるカップの向上を目指しています。近年では、イシドロ氏はコーヒー生産で得た利益で排水処理設備を整え、環境にも配慮しながら生産を行っています




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[ Finca Idealista Honey ]


  精製 : ハニー
  品種 : パカス・カツーラ
  標高 : 1,200m
  収穫 : 19/20


 イデアリスタ農園はマタガルパの自然保護区に隣接する標高1,200mの山頂に位置します。冷涼な微小気候により、ゆっくりと熟したコーヒーチェリーは自然な甘さと複雑なフレーバープロファイルを生み出します。農園ではピッカーの教育と確保に注力しており、地域のレートの約2倍という最も高い賃金を支払い熟練のピッカーたちが収穫を担うことで、完熟したチェリーの収穫と収穫後のハンドソーティングを徹底的に行っています。ナチュラルとウォシュドの精製も行っていますが、今回ご紹介するのはハニープロセスのロットです。ミューシレージリムーバーを用いて、ミューシレージを出来る限り残した状態で仕上げたブラックハニーとなります。ニカラグアのマサヤ火山の火山性物質を利用したフィルターを使用して精製に使用した排水をろ過し、コミュニティの河川を汚さない取り組みを行っています。その他にも除草剤を使用せずにマチューテ(中米のなた)を使用、クオリティの高いコーヒーパルプはカスカラとして販売して残りは肥料として再利用、動植物の保護のために熱帯雨林を購入するなど、環境保護のための取り組みも精力的に行っています。こうした経済性と環境配慮を両立することが評価され、2016年にはSCAE Sustainability Awardを受賞しました。




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[ Las Mercedes Natural ]


  精製 : ナチュラル
  品種 : カツーラ・ブルボン他
  標高 : 1,330m
  収穫 : 19/20


 ラス・メルセデス農園はマタガルパのアレナル自然保護区の近くに位置し、ロジャー・マイレナ・スコット氏と彼の妻イザベル氏が生産に取り組んでいます。ロジャー氏は農学の学位を取得しており、自らロースターを訪ねて、知識や技術についてシェアすることを惜しみなく行っています。農園には小川があり、そこを流れる綺麗な天然水をコーヒーの精製処理や、飲料水として地域コミュニティと共有することもしています。また、農園の敷地内に塩化ビニールのチューブを取り付け、精製に使用した排水で小川を汚さないよう周辺環境への配慮も行っています。妻のイサベル氏は自身の生産したコーヒーを"※tutty fruity" と呼び、マンゴーやグァバ、パイナップルのようなフルーティなフレーバーを愛しています。
※イタリア語で「すべて果物」。様々な種類の砂糖漬けにされた果物が細かく刻まれたもの。










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